カッティングのスキルは
「カッティング」のスキルというのは、バスケットボールの中でその存在や練習を過小に捉えられがちなスキルの一つだと考えています。多くの場合、練習中に勝手に覚えるだろうと思い込まれていて、それに特化した練習やスポットを当てたメニューというのは少ないです。
ドリブル、パス、シュートのバスケットボールの基本動作を行うにも、ボールを「レシーブ」することが出来なければ、そのスキルは発揮することはできません。
ボール「レシーブ」のための「カッティング」スキル12つをここでは紹介します。
カッティングの種類
バックドアカット Backdoor Cut
バックドアカットはディフェンスがパスレーンを極端にディナイしている時に使用されます。バックドアカットは直接ゴールに向かう動きのため、パスが成功すれば、イージーレイアップに持ち込むことが出来、得点をすることが容易なカッティングの1つです。
しかし、パサーにはかなり高いパススキルを必要とし、空間を認知する能力、タイミング、パススピードなど、多くの要素が要求されます。
- パスレーンに手があったら、バックドアカットをする
- バックドアしたら戻ってこない
などの、ある程度の約束事をしっかりとチームで作っておくことでターンオーバーが減ります。
Vカット V Cut
もっとも一般的なボールレシーブの方法です。バスケットボールをやったことのある選手なら誰もが聞いたことのあるスキルの1つだと思います。
その文字の通り、Vの字を描くように動きます。
スリーポイントエリア内に入っていき、ディフェンスにコンタクトをして、ディフェンスを抑えます。タイミングよく、外に飛び出して、ボールレシーブを行います。
この時コンタクトを取る際、相手の足の前にしっかりと足を入れることで相手の動きを封じることができます。
外に出ながらもらうことになるため、ボールキャッチの後の姿勢がより重要になります。
重心が外のまま、サイドライン沿いに押し出されるような姿勢になるとそのままプレッシャーをかけられ、ターンオーバーの原因にもなります。しっかりとフリーフットを前に置き、ゴールに正対した姿勢を作れるようにしましょう。
Lカット L Cut
Lカットはペイントエリア内やローポスト付近からアウトサイドに飛び出て、ボールレシーブするのに適したカッティングです。
Vカットと同様、正しい身体のコンタクトや使い方をすれば、スピードはさほど必要ありません。エルボーに真っ直ぐ上がっていき、ディフェンスの前に自身の足を入れ、シールする形をとります。ディフェンスを抑えたところから、勢いよくウイングへ飛び出して、レシーブします。
この時、若干ボールから離れる動きになるため、しっかりとディフェンスを抑えていないと、前に入られ、ターンオーバーの原因となります。
カールカット Curl Cut
カールカットはスクリーンを使用したカッティングの方法です。
ダウンスクリーンなどを使用する際に、ディフェンスが後ろからレシーバーを追ってくるような状況の際に有効です。そのまま、レイアップやゴールに向かう動きになり、イージーバスケットのチャンスです。
ディフェンスの動きをよく判断して、カッティングを選択しなければなりません。ディフェンスが、スライドして守ってくるような場合は、他のカッティングを使用する必要があります。
フレアカット Flare Cut
フレアカットはボールから離れるように動き、スクリーン使用時にディフェンスがスクリーナーの間から先回りして、カールカットを防ごうと動いた際などに使用をします。
ディフェンスがどこに動くのかをよく判断した上で、カッティングを選択してください。
ディープカット Deep Cut
ディープカットはベースライン沿いをディフェンスの背後を通ってもらう動きです。
このカッティングはゾーンディフェンスなどに対して、とても有効で、ディフェンスの視野がボールマンや他の選手にいっている場合に、一度視野から消えて、レシーブすることができるため、チャンスをクリエイトすることが出来ます。
UCLAカット UCLA Cut
UCLAカットはUCLAの伝説のコーチ、John Woodenによって考案されたカッティング方法です。
多くの場合、トップのポジションにいるプレイヤーがウイングにパスをし、ハイポストのスクリーンを使用して、ゴール下へカッティングします。ディフェンスを1度逆サイドへ誘導して使用することで、スクリーンにかかりやすくなります。
また、UCLAカットはセットオフェンスのエントリープレーとして、使用されることが多くあります。
パサーは
ディフェンスが後ろから追っているorスクリーンにかかっている場合は
→レイアップを狙わせる
スクリーンを内側から避けてディフェンスについている
→そのままコンタクトをして、ローポストにポストアップ
するなどの選択肢があるので、どちらかをまず狙いましょう。
フロントカット Front Cut
フロントカットはボールサイドへカッティングして、ディフェンスの前を通ることでボールをレシーブするスキルです。
カッティングの前に1度逆サイドにジャプステップを踏むことでディフェンスを反応させて、前を取りやすくします。
シャローカット Shallow Cut
ドリブルしている選手とポジションを交換したいときに使われます。
ジッパーカット Zipper Cut
ジッパーカットはダウンスクリーンを使って、アウトサイドに上がり、シュートチャンスを作るカッティングスキルです。
ストレートカット Straight Cut
コーナーからウイングに上がってきて、レシーブする際に使用します。
5outオフェンスなどでよく発生するシチュエーションで、ディナイが入れば、バックドアカットに切り替えて、ゴールに向かうというような選択肢もあります。
アイバーソンカット Iverson Cut (AI Cut)
アレン・アイバーソン(Allen Iverson)がよく使用したことからこのような名称がつきました。
ハイポストの2枚のスクリーンを使用し、逆サイドへカッティングします。
ディフェンスの状況によって、そのあとのプレーも大きく変わり、ディフェンスが後ろからついて遅れているようであれば、ベースラインドライブ、スクリーンの下側から守っている場合はミドルを攻めるなどができます。
そのまま、サイドピックに持ち込み、P&Rへうつるなどその他のプレーに移りやすいカッティング方法です。
フレックスカット Flex Cut
フレックススクリーンを使用したカッティングスキルです。
ディフェンスがスクリーナーの上から通るのか、下から通るのかをよく判断して、レシーブする必要があります。
フラッシュカット Flash Cut
ローポストからハイポストへ上がって、レシーブする際に使用するカッティングスキルです。
まとめ
ここでは14つの基本的なカッティングのスキルを紹介させていただきました。
各名称を覚えて、活用することでゲーム中も簡単にボールをレシーブすることができるようになります。また、セットオフェンスを覚える際もこれらのカッティングがキーとなったり、エントリーのプレーとして、採用されている場合もあります。1つ1つ覚えて、自身のプレーにぜひ還元してください。