先日の記事で「いいパス」とはなにか。
ということについて解説をしました。
パスの定義とは
【プレー中にコート上を最も速いスピードでボール移動をすることができ、より得点のチャンスの大きいスポットへボールを移動させるプレー】
と自分は捉えています。
さまざまなパスの種類の中でも、もう一度見直したいパスのスキルとしてバウンズパスがあります。
個人的に感じることはゲーム中にターンオーバーの少ない選手、チャンスをクリエイトするのが上手い選手は総じてバウンズパスの使い方がとても上手です。
そんなバウンズパスについて、今回はスポットを当てて解説したいと思います。
パスについての以前の記事を読まれるとより一層理解が深まるかと思います。
パスの種類のおさらい
パスの種類には多くありますが、パスの出し方による分類、パスの軌道による分類があります。
- チェストパス Chest pass
- オーバーヘッドパス Over head pass
- ショルダーパス Shoulder pass
- クイックショルダーパス Quick shoulder pass
- ビハインドパス Behind pass
- ビハインドネックパス Behind neck pass
- ワンハンドプッシュパス One hand push pass
- ディッシュパス Dish pass
- レッグスルーパス Leg through pass
- フックパス Hook pass
- サイドスナップパス Side snap pass
- ジャンプパス Jump pass
- ジャンプアウトパス Jump out pass
- ポケットパス Pocket pass
- タップパス Tap pass
- サイドハンドパス Side hand pass
- ラップパス Wrap pass
- アンダーハンドパス Under hand pass
- シュートモーションパス Shot motion pass
- ラテラルパス
- バウンズパス
- ロブパス
で分けることができます。
今回取り上げるバウンズパスは上のいずれの出し方の種類でも基本的には出すことが可能で、どの出し方で出すかということではなく、大きな【バウンズパス】という括りで今回は考えたいと思います。
バウンズパスのメリット
1つずつバウンズパスのメリットを解説していきます。
実際の動画と一緒に見るとさらに理解が深まります。
ターンオーバーが減る
バウンズパスは基本的にディフェンスが反応しにくい位置をボールが通るため、ターンオーバーの危険性が少ないです。人間は咄嗟に真上や横には手が出ますが、斜め下の足元の空間にはすぐには手を出しにくく、反応が遅れます。ちなみにディフェンスの足元やすぐ顔の横のすぐに反応しにくく、手を出しづらい空間のことをパッシングウィンドウと言います。
ディフェンスのすぐ顔の横や足元の空間でディフェンスにとって反応しにくく、手が出しづらい空間
また、バウンズパスをカットできるとしたら、基本的には足が出た場合ですが、足に当たればキックボールとなり、マイボールシチュエーションなので、リスクが少ないです。
キャッチしやすく、反応しやすい
バウンズパスは床に着くまでのスピードから床に跳ねた後でスピードが若干落ちます。そのため、ディフェンスの横を通る時にはスピードがあっても、バウンド後キャッチのしやすい状態になって手元に届きます。
また、バウンズパスは下からボールが上がってくるため、そのままシュートモーションに入りやすく、シュートを打ちやすい軌道になります。
多少レシーバーとの距離が近くて、キャッチの準備ができていない場合も、バウンズパスならバウンドしている間に準備ができ、キャッチが安定します。
タイミングを合わせる時間ができる
この考え方が一番得点につながる要素です。
ファストブレイク時やカッティングプレーの際に空間にボールを出したいシチュエーションは多いです。オフェンスは追いついていないけど、空間に出したいという場面で、バウンズパスにすることで、オフェンスがその空間に到達するまでの時間を合わせることができます。空間ではなく、その人に直接出したい時などにはディッシュパスなどを選択します。
どうしてもストレートパスで空間に直接来ると、ボールの勢いもあり、非常にキャッチがづらい場面もあります。空間軸と時間軸を同時に合わせやすいパスの1つだと言えます。
アングルを変えられる
ポストフィードの際に、サイドフックパスなどで回転をかけて、ディフェンスの外側からパスを通すことがあるかと思います。回転をかけてバウンズパスを出すことで、微妙にアングルを変えることができます。
これは他のパスには絶対にない、バウンズパスのメリットの1つです。(バスケットボールで変化球を投げられれば別せていただきたいですが・・・)
フェイクにも使える
シュートフェイクやオーバーヘッドパスのフェイクとの相性がよく、バウンズで出したいから一度上のフェイクを入れて、手を上げさせて
また、少し発展的ですが、ピックアンドロール時のドリブルからそのままバウンズパスを出すポケットパスとその裏の動きであるYo-Yoドリブルというスキルとの相性が非常にいいです。
参考までに映像を置いておきますが、ドリブルとの相性が非常に良いので、ピック&ロールの際などに有効活用できます。
まとめ
攻撃の高速化、ピックアンドロールが全盛の時代において、インサイドへの決定的なパス、先頭を走る選手へのラストパスの精度が鍵になってきます。また、日本の育成年代でも、大型化が進み、前後左右の空間だけでなく、高さや低さを生かした上下の空間をもっと使う必要があります。
バウンズパスのメリットをまとめると、
- ターンオーバーが減る
- キャッチのしやすい 反応のしやすい
- タイミングを合わせることができる
- アングルチェンジ
- フェイクとの相性
だと考えます。
ピックアンドロールでもほとんどの場面で上下の空間を使った、バウンズパスやロブパスが活用されています。どこの空間を生かして、なぜこの種類のパスを選択したのか、なぜこの軌道のパスを選択したのかということを考えながら、プレーを見るともっともっとパスの奥深さが見えてきます。
また、スモールプレイヤーにはもちろん必須で身につけて欲しいですが、ビックマンや大型のアウトサイドプレーヤーにこそ、身につけて欲しいです。高さという武器があるからこそ、自分の足元の空間も使えるようになれば、より一層プレーの幅は広がるからです。
是非意識してと
是非参考になれば、SNSなどでのシェアをお願いします!
また、YouTube動画と一緒に見ていただくと理解が深まるかと思います。そちらもどうぞご覧ください。