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【日本に一番足りないもの】いいパスとは?

パス
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バスケットボールにおける基本動作であるドリブル、シュート、パスの中の三大動作であるパス。

しかし日本ではこのパスのスキルが最も欠けているスキルだと、海外の指導者やコーチからも言われています。

【日本にはボールハンドリングの上手い選手もシュートが高確率の選手もいるが、パスで攻撃を展開できない、得点をクリエイトできない】

と評されています。

日本にはよくあるのが、チェストパスの練習ばかりして、いざディフェンスにプレッシャーをかけられたらパスのバリエーションがなく、ターンオーバーになったり、チャンスを潰してしまうというシーンです

チェストパスはあくまでも味方に正確にパスを渡す形の基本であって、ディフェンスに対する正確性を高めるものではないということです。

そんな簡単なようで難しい「パス」というスキル。今回は深く突っ込んで解説します。

https://twitter.com/coachk_k/status/1235156257079582720

パスの定義

そもそもパスとは何か。

自分なりの解釈では、

パスの定義

プレー中にコート上を最も速いスピードでボール移動をすることができ、より得点のチャンスの大きいスポットへボールを移動させるためのプレー

と自分は捉えています。

よく言われることですが、「ドリブルよりパスの方が速い」という言葉のままで、ボールの移動速度より速く走れる選手は基本的にはいません。だからドリブルよりパスが大切だという話ではなく、ドリブルには「ドリブルのメリット・デメリット」があり、パスには「パスのメリット・デメリット」とあるということです。

パスのメリット

パスのメリットとしては、定義の通り、

パスのメリット
  • ボールの移動速度がプレーの中で最も速い
  • 気持ち的にはアシストをすると得点者とアシストを行った選手の2人が幸せになれる

ということです。

パスのデメリット

デメリットは

パスのデメリット
  • パサーとレシーバーの2人がプレーに関わるため、どちらかがミスをするとターンオーバーに繋がる
  • ボールが手から離れてからキャッチするまではオフェンスにはなにもすることができない(ドリブルに比べてその時間が長い)

ということです。

パスの優先順位

あくまでもドリブルもパスも最終的に得点に結びつけるための、「手段」であり、「目的」ではないということです。

最終的に得点をするという「目的」を達成するための優先順位とパスにおける目指すべき優先順位はイコールの関係になります。

パスの優先順位
  1. パスのゴール下のレイアップ、ゴール下のシュートを狙う
  2. ペイントエリア内のシュート狙う
  3. ロングクローズアウトの状況を作る
  4. 競り合った状況のアウトサイドシュート

基本的にはこの優先順位をもとにプレーを選択していきます。

いいパスとは

では、今回のテーマである「いいパス」とはなにか?ということを考えていきます。

いいパスとは

レシーバーが次の動作に素早く移ることができ、レシーバーの時間を奪わないパス

と考えています。

優先順位を元にパスを考えたときに、どの場面においてもレシーバーに残された時間が0.1秒でも長い方がよりオープンなシュート、正しい判断につながります

例を挙げると、

  • オープンな味方を見つけたが、パスがズレて、キャッチに時間がかかったため、キャッチしたときにはオープンではなくなっていた
  • アウトナンバーの状況でパスを出したがパスに移るまでの動作が遅く、レシーバーがディフェンスを意識したキャッチになったため、シュートまで時間がかかり、結局ブロックにかかった

というような悪いパターンです。

いいパスの構成要素

では、そのいいパスを構成する4つの要素を解説します。

パサーの動作スピード

1つ目がパサーのパスにかかる動作の時間についてです。

パスのスピードというと、パスの速度的なイメージがあると思います。

「パスを強く速く出せ!」という、誰しもが一度は耳にしたことのあるワードだとおもいますが、本当のパスの速さとは、「オフェンスのチャンスを認知し、状況を判断、実際にパスを実行して、味方にボールが届くまでの速さ」が本当のパスの速さです。

ドリブルから1度キャッチして、チェストパスで出すのと、ドリブルからワンハンドプッシュパスで出すのでは全く動作のスピードが違います。チャンスを認知し、そのときに適切な出し方を判断し、パス動作を実行するという一連の流れを速くする必要があります

ボールのスピード

2つ目がパスのスピードです。これも単純な速度を上げるということと、味方とディフェンスの位置関係に合わせた時間軸を合わせるということもボールのスピードで考えなければいけません

例えばファストブレイク時に、パスを出す瞬間はまだディフェンスを振り切れていないけど、オフェンスの裏を取る動きとゴールまでのスペース、そこに到達するまでの時間を計算して、パスの軌道、スピードを変化させるというのが時間軸を合わせるということです。

パスの正確性

3つ目がパスの正確性です。レシーバーのキャッチに時間がかれば、チャンスは基本的に減ります。上にあげた「スピード」を意識すれば、自然と正確性は落ちますが、その中で正確性を高めていくという考えが必要なのかもしれません。

ディフェンスに取られない安全性とよりオープンを作る攻撃性を両立させることがパスにおける正確性です。

パスの出し方、パスアングル、回転、速度、そのプレーヤーの特徴に合わせて、その人が次のプレーに移りやすいパスを供給することが正確性に繋がります。

また、正確性を高めるためには、どの状況でどの種類のパスを使用するとより安全性と攻撃性が保てるかというのを選択できる状態にしておかなければなりません。

パスの出し方の種類だけで、

パスの出し方による種類
  1. チェストパス Chest pass
  2. オーバーヘッドパス Over head pass
  3. ショルダーパス Shoulder pass
  4. クイックショルダーパス Quick shoulder pass
  5. ビハインドパス Behind pass
  6. ビハインドネックパス Behind neck pass
  7. ワンハンドプッシュパス One hand push pass
  8. ディッシュパス Dish pass
  9. レッグスルーパス Leg through pass
  10. フックパス Hook pass
  11. サイドスナップパス Side snap pass
  12. ジャンプパス Jump pass
  13. ジャンプアウトパス Jump out pass
  14. ポケットパス Pocket pass
  15. タップパス Tap pass
  16. サイドハンドパス Side hand pass
  17. ラップパス Wrap pass
  18. アンダーハンドパス Under hand pass
  19. シュートモーションパス Shot motion pass

とたくさん種類があります。

あくまでもこれは出し方のフォームの種類です。

パスの軌道で種類分けすると、

パスの軌道による種類分け
  • ストレートパス
  • バウンズパス
  • ロブパス

の3つで分けることができます。

目的を達成するための、パスの出し方、パスの軌道の最適解を判断することが正確性に繋がります。

意図が伝わるパスであること

いいパサーから出るパスはそのパスで何をして欲しいのかが本当によく伝わってきます。パスには人間性が出るとよく言われましたが、要するに思いやりの部分です。

例えば同じダウンスクリーンをのユーザーに出すパスでも、

  • カールカットしてゴールに向かって欲しいのか
  • そのままアウトサイドに出てキャッチアンドシュートを打って欲しいのか
  • そのままベースラインドライブに行って欲しいのか

微妙にパスの軌道や強さが違ってくるはずです。また、パスは出したら終わりではなく、その後のパサーの動作でレシーバーは何かを感じることができます。

パスを出しながら、「シュート!」と声をかけてあげるとか、逆サイドを指差して展開を指示するとか、そこまでやることでパスという動作のひとくくりだと考えています。

まとめ

「いいパス」とはなにか?という問いの答えの参考にはなったでしょうか?

日本では、パスを磨く練習というのが極端に少ないのが現実です。

「いいパス」とは何か?ということを常に考えながらプレーすることで、チームオフェンスの向上に繋がっていくと思います。

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Coach K
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