今回は打撃練習の定番であるティーバッティングについて紹介したいと思います。
以前の記事で斜めからトスしたボールを打つ、野球の練習でよく見る典型的なティーバッティングについて書きましたので、そちらもどうぞご覧ください。
ここからはそれぞれのティーバッティングの
- こんなバッターにおすすめ
- 練習方法
- この練習で身につく動作やポイント
を動画などを交えながら紹介していきます。実際に行なっているYoutubeの動画等も参考にしながら、どんな目的で、それぞれの練習に取り組んだらいいのかを明確にして、練習をしましょう。
ティーバッティングを見直そう!バッティング練習の定番のティーバッティング。ボールを実打する練習として、非常に手頃で省スペースでできる野球の練習中には当たり前のように見かける光景ですが、本当に実戦にその練習が繋がっているのか、打力向上に有効的な練習なのかということについて、再考していきます。...
Contents
リンク
真後ろからティー
こんなバッターにおすすめ
- 身体が前に突っ込んでしまう
- トップが深く取れない
- バットが投球のラインに入るのが遅い
方法
- 構えている打者のキャッチャー側からトスをあげる
- 打者は肩が入りすぎないように意識をして顔と目線だけトスの方向を見てスイングをする
- 深いトップの位置から、自分のポイントまで引き付けボールのラインにバットの軌道を合わせるようにして打つ
この練習で身につく動作やポイント
- 身体の突っ込みやスウェーしがちな打ち方を矯正できる
- 投球のラインにしっかりと入ったバット軌道を身につけることができる
- 深くトップを取る習慣が身につく
真横からティー
こんなバッターにおすすめ
- アウトサイドインのドアスイング気味の打者
- ボールの外側を捉えての引っ掛けた打球の多い打者
- 身体の開きが早い
方法
- 構えたバッターの正面からバッターのへそに向かってトスをする
- バッターは右打者であればセンターから右中間方向に打ち返す
- 左打者であればセンターから左中間方向を狙う
この練習で身につく動作やポイント
- バットをボールの内側から入れるインサイドアウトのスイングが身につく
- 深くトップをとったスイングが身につく
- ドアスイングの改善
- 身体の開きが早くなるのを押さえ、正しい身体の回旋の順番が身につく
ワンバウンドティー
こんなバッターにおすすめ
- 小さな変化球に弱い
- バッティングに間がないと言われる
- 前足の着地からスイングまでの間がない
方法
- トスを上げる側は地面に叩きつけるようにしてボールをワンバウンドさせる
- ワンバウンドしたボールをバッターは前足の着地後の間を意識してヒッティングする
この練習で身につく動作やポイント
- 変化球への対応が上手くなる
- 投球に対して一瞬の間をとる習慣ができる
ロングスタンスティー 股割りティー
こんなバッターにおすすめ
- 上半身主導のバッティングになりがち
- 下半身と上半身の連動がとれない
- 体重移動の感覚が掴めない
方法
- 前足を着地した通常のバッティングスタンスより1足から2足スタンスを広げる
- ノーステップで股関節の入れ替えを意識しながら後ろ足にしっかりと重心をかける
- 地面からの反発を受けながら、下半身主導のスイングで前足にしっかり体重を映してスイングをする
この練習で身につく動作やポイント
- 下半身主導のスイングによるスイングスピードアップ
- 効果的な重心移動の方法
- 地面からの反発をもらった強いスイング
- 股関節の入れ替え動作の習得
逆手ティー
こんなバッターにおすすめ
- 手首を早くこねてしまい、引っ掛けた打球の多い選手
方法
- バットをボトムハンド、トップハンド逆さに持って、スイングをする
- 肘が身体から離れない感覚をもってスイングを行う
- ギリギリまで身体の開きを我慢する
この練習で身につく動作やポイント
- インパクトでバットヘッドが速く返ることを防ぎ、ラインに長く入ったスイング軌道を身につけることができる
前進ティー(歩行ティー)
こんなバッターにおすすめ
- 重心移動の感覚が乏しく、後ろ脚から前脚への重心移動が苦手な選手
- スイングスピードをアップしたい選手
方法
右打者の場合、打ちたいポイントから数歩下がり、
右(前)→左→右(後ろ)→左の順番でステップをし、スイングをする。
この練習で身につく動作やポイント
- インパクトへ対して、重心をしっかりとぶつけたスイング
- フォロースルーの大きなスイング軌道
背面ティー
こんなバッターにおすすめ
- ドアスイングが目立つスイング軌道でボールを引っ掛けやすい打者
方法
- 右打者の場合、投げ手はショート方向からトスを上げる
- 打者はセンターから逆方向へ打つようにバットを入れる
この練習で身につく動作やポイント
- バットをインサイドアウトで出し、ボールの内側から入れるバット軌道が身に付く
- 引っ掛けた打球が少なくなり、長くベース板の上を通ったバット軌道となる
連ティー
こんなバッターにおすすめ
- スイングスピードをアップしたい
- 身体の開きが早く、バットが走らない
- 身体のキレの向上やボールを捉える感覚を短時間で数多く身につけたい
方法
- 通常のトスの位置から連続で投げ手はトスを上げる
- 打者はしっかりと振り切ってから腰を戻し、トップを取ってスイングを開始する
- 手首のリストだけを使ったスイングにならず、全身で幅の広いスイングを心がける
この練習で身につく動作やポイント
- 身体の中、骨盤の範囲で(ボディゾーン)バットが走る感覚を養う
- スイングスピードや身体のキレの向上
- バットをインサイドアウトで出し、ボールの内側から入れるバット軌道が身に付く
- 引っ掛けた打球が少なくなり、長くベース板の上を通ったバット軌道となる
ローボールティー
こんなバッターにおすすめ
- 低めを引っ掛けることが多い
- 低めに対して、上体の傾きの感覚がわからない選手
- 変化球に泳がされることが多い選手
方法
- 通常のトスの位置から投げ手は膝付近の高さにボールをトスする
- 打者は踏込んだ上体から体重移動を使って、低めを拾う
- 手首が寝て、ゴロになったり、逆方向のファールにならないように意識する
- 手首を立てて、ボールの下に入れ、打球に角度をつける
この練習で身につく動作やポイント
- 低めに対応し、変化球で泳がされても拾えるスイングが身につく
- バットをインサイドアウトで出し、ボールの内側から入れるバット軌道が身に付く
- 引っ掛けた打球が少なくなり、長くベース板の上を通ったバット軌道となる
ノックバットティー
こんなバッターにおすすめ
- スイングスピードをアップしたい
- 身体のキレの向上
- ミート力向上
方法
- 通常のトスの位置から投げ手はトスを上げる
- 打者はノックバットの遠心力、ヘッドの重さを感じながら、全力でスイングをする
この練習で身につく動作やポイント
- 長く細いバットを使用することにより、ミートの難易度が上がり、ミート力向上
- スイングスピードの向上
シャッフルティー(ワンステップティー)
こんなバッターにおすすめ
- 並進運動によるスイングスピードの増加を体感したい
- 身体の最大スピードを身体に覚え込ませたい
- 身体のキレの向上
方法
- スタンドティーを使用
- 打者はスタンドティーの数歩後ろから勢いをつけて、シャッフルステップを踏んで全力でスイングをする
- 前足がすぐに開かないことを意識し、壁をしっかりと作り、バットが走る感覚を養う
この練習で身につく動作やポイント
- スイングスピードの向上
- 並進運動から回転運動への身体の使い方
8の字ティー
動画内の12:40~
こんなバッターにおすすめ
- インパクトで力の入る感覚がわからない
- 柔らかいバットの使い方がわからない
方法
- 身体の前で∞を描くようにバットを回し、数回回したタイミングでトップをとりそのままスイングをする
- 投げ手はタイミングを合わせてトスをする
この練習で身につく動作やポイント
- 力の入るタイミングを覚えることができる
- 柔らかく全身でバットを操る感覚がわかる
ボトムハンドティー
こんなバッターにおすすめ
- インパクトでバットが走る感覚がわからない
- 上手い肘の使い方がわからない
方法
- バットヘッドの走りを感じるためにトップハンド(後ろの手)でボトムハンド側の肘を押さえて、片手でスイングをする
- 肘の抜けを抑えたい時は肘を押さえずに逆方向に打ち抜く
- 身体の開きを抑え、グリップをボールにぶつけていく
この練習で身につく動作やポイント
- スムーズなバット操作でバットが走る感覚を覚えることができる
- 肘がうまく抜けることで正しいフォロースルーを覚えることができる
エックスタッチングティー(割れティー)
こんなバッターにおすすめ
- うまくトップで割れを作ることできず、トップが緩んでしまう
- トップの作り方がわからない
方法
- 通常通り構え、足を上げてステップをしていく前に、一度前脚の膝とバットのグリップを合わせたところからゆっくりと上半身と下半身を割っていき、トップを作っていく
- 後ろ足にしっかりと乗せ、下半身は進むが上半身は残るという感覚でトップから振り出す
この練習で身につく動作やポイント
- トップが緩むことなく、力強くバットスイングができるようになる
- 大きく長くボールのラインに入った、バット軌道を身につけられる
短尺ティー
こんなバッターにおすすめ
- 全身を使ったスイングができず、小手先で調整するようなスイングになってしまう選手
方法
- 短尺バットがあれば、短尺バットを使用し、大きく体を使ってスイングをする
- なければ通常のバットのグリップの境目を持って、スイングをする
この練習で身につく動作やポイント
- 小手先だけで振るとうまくボールは飛んでいかず、下半身と上半身の連動がないと触れないので、全身を使って、ボールを飛ばす大きなスイングを身につけられる
リンク
ミックスティー
こんなバッターにおすすめ
- 変化球への対応が苦手で、球速差があるボールを苦手とする選手
方法
- スタンドティーと通常の投げ手からくるボールの2箇所を用意
- 投げ手がボールを離したら、そのボールをストレートだと思ってスイングする
- 投げ手からボールが離れず、ボールが来なかったら、そのタイミングで溜めをしっかりと作り、スタンドティーに置かれたボールを変化球だと思って打つ
この練習で身につく動作やポイント
- ワンテンポ置いたり、一瞬の間を意識することで、変化球への対応が格段と上がります
ロングティー
こんなバッターにおすすめ
- 全身を使ったスイングができず、小手先で調整するようなスイングになってしまう選手
方法
- ネット向かってのティーバッティングではなく、広い外野へ向かって、できれば距離を測れるような目印を置いて行うと効果的
この練習で身につく動作やポイント
- 全身を使って、とにかく遠くに強く、速くボールを飛ばすことで強いスイングが身につきます
正面ティー
こんなバッターにおすすめ
- より実践的な正面からくるボールでティーバッティングを行いたい
方法
- ホームベースを用意し、ベースの真正面に投げ手の腕がくるようにし、投げ手を守るようにして、ネットを配置する
- 距離は長ければ長いほど実践的だが、長くするとその分、打球が飛んでいく角度も増えるので、安全に配慮しながら実施してください
- 投げ手は山なりのボールではなく、速めのボールでしっかりと投球する
この練習で身につく動作やポイント
- 短い距離でも実戦のボールにより近く、またコースも投げ分けることで、リアルな対戦に近い形でティーバッティングができる
リンク