リバウンドを制するものはゲームを制す
バスケットボールの試合において、シュートが高い確率でお互いに決まったとしても、半分のシュートは外れます。そのシュートが外れた時に、お互いのチームはリバウンドを争います。
「リバウンドを制するものはゲームを制す」
という言葉があるように、どちらがリバウンドを多く取るかということは試合において、勝敗を左右する重要なファクターです。現代のバスケットボールでは、リバウンドに至る前段階の得点期待値やビックマンをいかにゴール下から追い出すかということが重要視されているので、リバウンドの数が単純に多いことがゲームの勝利に近づくというわけでは、厳密にいうとありません。しかし、逆に言えば、外してくれたシュートは確実に取らないと負けに繋がる。言い換えれば、
「リバウンドを制さないものは、ゲームを制することはできない」
と言えます。
選手も指導者も「リバウンドは大切」ということはわかっているもののなかなか徹底できないのが「リバウンド」でもあります。そんなリバウンドを確実に死守するための秘密やコツを、今回は解説します。
リバウンドの秘密
ここからはリバウンドに関する秘密を解説していきます。
あまり良くないリバウンドシーンを集めた参考動画があったので、ご覧ください。
ボールの落ちる場所
シュートされたボールの動きには特徴があります。これを知っているかどうかで大きくリバウンドの獲得率が変わってきます。
逆サイドに多く落ちる
シュートには勢い、スピードがあるため、基本的にはシュートを打った選手のいるサイドではなく、逆サイドに落ちることがどちらかといえば多いです。そのため、シューターのサイドと逆に少し意識をおいて、リバウンドに参加することがポイントです。
また、ファストブレイクを出すには、リバウンドサイドと逆側の選手の走り出しが大切です。シューターサイドの選手は、リバウンドが逆サイドに落ちることを確認後、相手の選手より速く走り出して、ファストブレイクの先頭を走りたいところです。
ほとんどが半径3メートル以内
シュートの距離が遠ければ遠いほど、リバウンドも遠くに跳ねる傾向にあり、近ければ近いほど、近くに落ちる傾向にあります。頭に入れておかなければいけないのは、近くで打ったシュートが遠くに跳ねることは基本的にはありませんが、遠くから打ったシュートも遠くても3メートル以内には落ちるということです。そのため、リングから3メートル以内にオフェンスを入れないようにボックスアウトをすることが大切です。
裏には落ちてこない
ボックスアウトをするのが、ディフェンスリバウンドの基本と言いますが、必ずしも完璧にボックスアウトができる場面ばかりではありません。必ず相手を抑えるという意識と同時に
落ちる場所に行かせない/落ちない場所へ誘導する
という意識が必要です。
バックボードの延長線上から後ろには基本的にはリバウンドは落ちてきません。ですので、ボックスアウトをする時は、リングから遠ざけるという意識と、ボードに近い、角度のないところに誘導するということが必要です。
ボールの落ちるまでの時間
落ちてくるまでは3秒
シュートが打たれてから、リバウンドが落ちてくるまでの時間は平均にするとおよそ3秒です。ディフェンスは、この3秒間でしっかりとボックスアウトからリバウンドの獲得までの流れを実行しなければなりません。
シュートが打たれてから、【1・2・3】で落ちてきます。
そのディフェンスに与えられた3秒間でどうしなければいけないのか、ボールサイドの選手、ヘルプサイドの選手にそれぞれ分けて、見ていきたいと思います。
シューターサイドのボックスアウト
シュートを打ってから「イチ」
「イチ」で相手のマッチアップとコンタクトをします。この時、いちより良いポジションを奪えるように意識をします。コンタクトは背中からするのではなく、半身で相手をしっかりと捉えてコンタクトをします。
また、この時、ボールから目を切ることになるので、シュートの軌道から大体どこに落ちるかを予測をします。
シュートを打ってから「ニ」
「ニ」で相手のマークマンを背中でしっかりと捉えます。ボックスアウトをかわそうと動く、オフェンスをしっかりと抑え、ハンズアップをします。相手にコンタクトしてから、背中を抑えるときのターンは基本的にフロントターンで行うと、バランスよくプレーできるほか、相手をベースライン沿いに誘導することができます。
シュートを打ってから「サン」
自分の守備範囲に落ちてきたら、ジャンプして掴みます。
ヘルプサイド(逆サイド)のボックスアウト
ヘルプサイドは3線ポジションをとっていることが多く、マークマンと離れていることが多いほか、先ほども説明した通り、リバウンドが落ちてくる確率がボールサイドより高いということが特徴です。
シュートを打ってから「イチ」
リングに近い選手は「イチ」でマークマンに走り、すぐにコンタクトをします。コンタクトが遅いと、相手にリング付近まで入られ、リバウンドポジションがとられてしまいます。
リングから遠い選手も同じく、「イチ」でマークマンに走り、近づきます。この時、マークマンがリバウンドに参加するか、セーフティに戻るかを判断します。
シュートを打ってから「ニ」
リングに近い選手は、「ニ」でもコンタクトを続け、かわされたり、ターンをされて、身体の入れ替えをされないように注意します。
リングから遠い選手は、マークマンがリバウンドに参加しようとしているなら、正面でまずコンタクトをします。ここで自由に動かせてしまうと、ロングリバウンドをとられ、そのままシュートを狙われてしまいます。
シュートを打ってから「サン」
リングに近い選手は、自分の守備範囲に落ちてきたら、ジャンプしてボールを掴みます。
リングから遠い選手は、「ニ」と「サン」の間に半身になり、ボールの状況を確認します。ロングリバウンドに備え、広い範囲をカバーできるよう準備をします。
まとめ
もう一度整理します。
リバウンドは、
- シューターの逆サイドに落ちることが多い
- 遠くても3メートル以内に落ちる
- ボードの裏には落ちてこない
- シュートを打ってから落ちてくるまでは平均3秒
です。
これらのことを頭に入れながら、リバウンドを奪取してください。