バスケットボールの基本動作を言えるレイアップシュート。
バスケットボールを始めた選手がまず初めに覚える技能のはずです。
始めたてのプレーヤーがレイアップシュートを失敗してしまう原因は大きく3つです。
- 根本的なスキル不足
- 経験不足
- フォームが安定しないこと
です。
今回取り上げるのは初心者が外してしまうレイアップについてではなく、ゲーム中のシチュエーションでレイアップシュートが落ちてしまう原因について解説をしたいと思います。
ちなみにNBA選手でもこんな失敗をします。
レイアップの重要性
実際の試合を思い浮かべてください。得点の場面、失点の場面。育成年代において、得点の大半はペイントエリア内からのシュートです。もっと言えば、強いチームとそうでないチームの差、点が取れる選手とそうでない選手の差は「ペイントエリア内でのシュートの確率」の差と言っても過言ではありません。
思い浮かべてください。
外のシュートは上手なのに、ゴール近くのシュートやフィニッシュのスキルに乏しい選手ってあまりいません。いたとしても稀です。
アウトサイドシュートを練習することは極めて大切です。
しかし、それと並行してゴール付近、ペイントエリア内でどう得点するか、確実にフィニッシュするかということを常に考えるべきです。
試合中のレイアップが落ちてしまう4つの原因
実際のディフェンスに対する練習を行なっていない
毎日のように練習の中でレイアップシュートを打つ機会は多くあると思います。
その中にライブのディフェンスがついて行なっている練習はどれだけありますか?
スキルを覚える段階でのディフェンスなしでの練習は効果的です。しかしスキル習得に重点を置かない練習の場合は、それらを活用する練習にシフトする必要があります。
- フローターやユーロステップなどの様々なフィニッシュスキルを覚えること
- それらのスキルをディフェンスによって、判断し、使い分ける状況を作ること
- 実際のディフェンスがついて、争うシチュエーションを作ること
を意識してください。
コンタクトとブロックを怖がること
スキルを覚えることに重点を置くと今度は接触やブロックに対して、「逃げの気持ち」が出てきます。日本のバスケットボールと海外の大きな違いは、ここにあるといってもいいです。
日本では、
コンタクトをできるだけ回避。最悪ファウルがもらえればいいや。
海外では、
コンタクトは必ず起こるもの。その中でどれだけシュートを決められるか。
の意識の差が大きいです。
こういった練習も極めて効果的です。
https://twitter.com/Basketballco2/status/1227234003570364417
フィニッシュスキルが少ないこと
3つ目は持ち合わせているフィニッシュスキルが少ないことです。実際のゲームシチュエーションを想像してください。
誰もいない中ノーマルレイアップが打てる場面って本当に少ないんです。
そのシチュエーションが多いゲームはおそらく、チーム大きく勝っているようなゲームでしょう。
多くの場面はディフェンスと競り合ったり、ヘルプがいたりと、様々なバリエーションのレイアップを使わないと決めきれないことが多いです。
そのスキルの練習にもっと、重点を置くべきだと考えています。
ざっと思いつくだけでこれだけです。
- アンダーハンドレイアップ
- オーバーハンドレイアップ
- ワンステップレイアップ(インサイドハンド)
- ワンステップレイアップ(アウトサイドハンド)
- ギャロップステップ
- ユーロステップ
- バンプユーロステップ
- スイングステップ
- パスフェイクからレイアップ
- ランニングフローター
- ジャンプストップフローター
- リバースシュート
- ロール
- ステップバック
- ステップバックからドライブ
- プルアップ
- パワーレイアップ
- エクステンディッドフィニッシュ
- ステップイン
- ステップスルー
- ロールからステップイン
- ロールからステップスルー
- ドリブルポストアップ
- ダブルクラッチ
- ビアーレイアップ
- ラグビーレイアップ
- ジェリーレイアップ
- ダンクシュート
スキルの名称は様々ですし、連続するプレーの流れもあるので、組み合わせれば、もっともっとあるかと思います。この中からどれだけ自分の引き出しに入っているか、サイズや自分の特性にあったフィニッシュスキルをぜひ練習してください。
試合中のプレッシャー
これは指導者側の課題かもしれません。
指導者から見ると、
様々な戦術を駆使して、ゴール近くまでペネトレイト、ギリギリでシュートが外れてしまって、悔しい思いをしていることかと思います。
しかし、選手も決して外したくて外しているわけではありません。
指導者が考えなかればいけないのは、そのシュートが落ちたことに対して大声を出したり、落胆することではなく、「どうしたら次入るようになるか」「どんな練習を組み込もう」と前向きなアプローチをすることだけです。
まとめ
実際に指導にあたっていて感じることが、このフィニッシュスキルについて、突き詰めて考えている選手、チームが思ったより少ないという点です。それより先の戦術やアウトサイドシュートばかりに目がいってしまっていることがほとんどです。
また、練習をしていても、形式的なレイアップの練習ばかりで、
よりゲームシチュエーションで
ディフェンスをやっつけるための練習
が少ないように思います。
今後、より実践的なフィニッシュスキルの練習方法については紹介をします。
高校生でも福岡第一高校の河村君ばりのスピードや同じサイズでも、ドリブルテクニック、アウトサイドシュートの確率を持った選手はいくらでもいると思います。
しかしじゃあ河村君と何が違うのか。
シュートという点で言えば、ゴール付近でのフィニッシュスキルの差です。
あの身長でも留学生相手にゴールを沈めることができる。その点にもっと注目すべきだと思います。
まずはこの記事を通して、自分自身や自身のチームのレイアップシュートに関わる練習へのアプローチのきっかけとしていただけたらと思います。