完全試合とは、野球において投手が相手打者を一度も出塁させずに試合を終える偉業のことです。英語では「Perfect Game・パーフェクトゲーム」と呼ばれ、プロ野球やMLBでも非常にまれな記録として知られています。野球ファンにとっては憧れであり、達成された瞬間は歴史的な名場面として語り継がれます。完全試合の基本的な定義や歴史については、Wikipediaの解説も参考になります。
完全試合の条件
完全試合が成立するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 9回以上を投げ切る(延長戦の場合も継続)
- 一人の走者も出さない(ヒット、四球、死球、エラー、振り逃げを許さない)
- チームが勝利していること
つまり、27人連続でアウトを取る必要があります。
完全試合とノーヒットノーランの違い
- 完全試合:一度も出塁を許さない
- ノーヒットノーラン:ヒットを許さないが、四球やエラーなどで走者が出る場合はある
完全試合はノーヒットノーランよりも難易度が高い記録です。
日本プロ野球・NPBの完全試合達成例
NPBでは非常にまれで、歴代でわずか16例(2022年時点)しか達成されていません。
- 1968年 佐々木吉郎(近鉄)
- 1994年 槙原寛己(巨人)
- 2022年 佐々木朗希(ロッテ) — 13者連続奪三振という世界記録も同時達成
NPBでの歴代達成回数や確率、他の事例については、こちらの記事で詳しく紹介されています。
MLBの完全試合
MLBでも過去にわずか23回(2023年時点)のみ達成されています。
- 1956年 ドン・ラーセン — ワールドシリーズ唯一の完全試合
- 2012年 フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
- 2023年 ドミンゴ・ヘルマン(ヤンキース)
完全試合が難しい理由
- 一度の失投や守備ミスが即記録消滅
- 投球内容だけでなく、守備陣の完璧なサポートが必要
- 精神的プレッシャーが9回に向けて増大
- 打者の実力・戦術による揺さぶりに耐える必要がある
達成時の価値
- 投手としての最高栄誉
- 歴史に名を刻む記録
- 球団やファンにとって忘れられない瞬間
- 契約評価や年俸上昇につながることも
まとめ
完全試合とは、9回以上を一度も走者を出さずに投げ切る極めて難易度の高い記録です。ノーヒットノーラン以上に条件が厳しく、投手の技術・体力・精神力、そして守備陣の連携がすべて噛み合って初めて達成されます。NPB・MLBを通じても数十回しか達成されていないことから、その瞬間はまさに野球史に残る伝説となります。

