導入
センターバック(CB)は、サッカーにおいて守備の要となるポジションです。ゴール前で相手の攻撃を食い止めるだけでなく、現代サッカーではビルドアップや戦術理解、リーダーシップも求められます。試合の勝敗を左右するポジションでありながら、攻撃的ポジションほど目立たないため、その重要性が見過ごされがちです。本記事では、センターバックの基本的な役割から、世界と日本のスタイルの違い、最新トレンドまでを徹底解説します。
センターバックの基本定義
センターバックは、ディフェンスラインの中央に位置する選手で、主に相手FWのマーク、空中戦、ゴール前での守備を担当します。フォーメーションによっては2人または3人配置されます。
- 守備の要 – 相手の決定機を防ぐ
- 空中戦勝率の確保 – セットプレーでの守備・攻撃
- ビルドアップの起点 – 後方からの正確なパス供給
- ラインコントロール – オフサイドトラップや守備位置の指示
- リーダーシップ – 守備陣の統率
センターバックの歴史的な役割変化
- 1970〜80年代・守備専門型
長身でフィジカルの強い選手が主流。ボール奪取とクリアが最優先。例:フランコ・バレージ(イタリア) - 1990〜2000年代・攻守両面型
足元の技術が向上し、後方からのパスや攻撃参加が増加。例:パオロ・マルディーニ(イタリア) - 2010年代以降・現代型ビルドアップCB
高精度のロングパスや持ち上がり、高い戦術理解力とスピード。例:フィルジル・ファン・ダイク(オランダ)、ジョン・ストーンズ(イングランド)
センターバックに求められるスキル
守備面
- 1対1の強さ:フィジカル・ポジショニング・読み
- 空中戦:ヘディング精度と競り合いの強さ
- カバーリング:味方のミスを補う動き
攻撃面
- ビルドアップ能力:正確なパス、視野の広さ
- ドリブルでの持ち上がり
- セットプレーでの得点力
メンタル面
- リーダーシップ
- 冷静な判断力
- 90分間集中を切らさない持久力
フォーメーション別のセンターバック役割
4バック(例:4-4-2、4-3-3)では2人で中央を守り、カバーリングとマークの連携が重要。
3バック(例:3-5-2、3-4-3)では中央のCBは守備専念型、両脇のCBはサイドカバーや攻撃参加が多いです。
日本代表におけるセンターバック
歴代では中澤佑二、田中マルクス闘莉王、吉田麻也らが活躍。現在は冨安健洋(アーセナル)が世界トップクラスの守備力と多様性を兼ね備えたCBとして注目されています。
欧州と日本のセンターバックの違い
センターバックの戦術的役割にも地域差があります。欧州では大型でフィジカルに優れ、空中戦に強い選手が多い一方、日本はスピードや戦術理解力を重視。近年は海外挑戦によってフィジカル面も向上しています。
現代サッカーにおけるセンターバックの最新トレンド
- 攻撃参加型CB – ストーンズのように中盤化してビルドアップ
- 高速CB – ハイライン戦術を支えるスピード重視
- 戦術的リーダー – 指示出しとライン統率を兼ねる司令塔型
まとめ
センターバックは守備の要であり、チームの最後の砦です。かつては守備専門型が主流でしたが、現代では攻撃の起点にもなり、ビルドアップ能力や戦術理解力も必須となっています。世界でも日本でも、優れたセンターバックは勝敗を左右する存在であり、その役割はこれからも進化し続けるでしょう。

