オフェンスリバウンドの重要性
リバウンドは、基本的にディフェンスが有利な状況に設定をされています。リング側にディフェンス、その外側にオフェンスが位置していることが多く、何度も簡単にオフェンスリバウンドを獲得するということは至難の技です。しかし、獲得するのが難しいからこそ、オフェンスリバウンドの価値は高く、オフェンスリバウンドの回数を増やすこととその可能性を上げることは勝敗へ大きく関わってきます。
単純にオフェンスリバウンドを奪うことができれば、
1回の攻撃回数で2回、3回とシュートを打つことができます
基本的にオフェンスとディフェンスが交互にやってきて、試合トータルでの攻撃回数は大体同じになるといった特性があるバスケットボールにおいて、この差は大きいです。だからこそ、ディフェンス側は絶対にディフェンスリバウンドを死守しなければならないですし、逆にオフェンス少しでも攻撃の回数を増やすための努力をしなければならないということです。
オフェンスリバウンドを狙うメリットとリスク
オフェンスリバウンドを狙うことは大きなメリットをがあることは上で説明した通りです。しかし、闇雲になんでもオフェンスリバウンドに行けばいって仕舞えば、当然リスクが生まれます。なんとなくオフェンスリバウンドに飛び込み、取れずに戻りが遅くなれば、当然次のディフェンスではピンチが生まれます。そこで、チームで戦略的にオフェンスリバウンドに絡むということを考えなければなりません。
オフェンスリバウンドの戦略
ここからはチームとして、オフェンスリバウンドを狙う戦略について、解説をします。オフェンスリバウンドを狙うときは、全員が参加してしまえば、取れたらもちろんチャンスですが、取れなかった場合に、ファストブレイクを出されてしまう可能性があります。そこで基本的には下のように役割を分けて考えます。
- オフェンスリバウンドに参加 3名
- ロングリバウンドに備える 1名
- セーフティ 1名
です。シュートが打たれた瞬間にこのそれぞれの役割に分かれ、何もしないでたているだけの選手は基本的にいません。1つずつ見ていきます。
オフェンスリバウンドに参加する3名
リングに近い3名が基本的にオフェンスリバウンドに参加をします。上の図でいう3、4、5の選手です。バスケットゴールの正面を頂点とし、三角形を作るように3人がポジションを取ります。リバウンドの特徴として、
- 3メートル以内に落ちる
- 打ってから落ちるまで3秒
- 逆サイドに落ちることが多い
ということを頭に入れて、ゴールに対しての距離や飛び込むスピードやタイミングを計算します。下の記事で詳しく解説をしています。
ロングリバウンドに備える
多くのシュートが3メートル以内に落ちますが、リングに対して、鋭角に当たるとロングリバウンドになることがあります。そのため、1人は三角形のポジションからやや離れた位置をとり、ロングリバウンドに備えます。上の図でいうと2の選手です。
セーフティ
ファストブレイクを出されないために、1人は確実にセーフティの位置を取ります。上の図でいうと1の選手です。
セーフティには優先順位があり、
- ゴールを守る
- ボールを守る
- 人を守る
その優先順位の1番高い、【ゴールを守る】というのが、ここでのセーフティの役割です。
ディフェンスに取られたら
以上のように3つの役割に分かれてもオフェンスリバウンドはそう毎回取れるものではありません。ディフェンスにリバウンドを取られてしまったら、オフェンスだった選手は、またそれぞれの役割に分かれてディフェンスに移ります。それが先ほど上にあげた優先順位です。
- ゴールを守る
- ボールを守る
- 人を守る
1人は初めから戻っているセーフティがゴールを守ります。次にリバウンドのボールに1番近い選手が、ボールに対してプレッシャーをかけて、相手のオフェンスを遅らせます。残りの選手が、ボール以外の人を守り、オフェンスのテンポアップを許さないようにします。
ここで気をつけなければならないのは、決してギャンブル的な要素を含むディフェンスをしないということです。もしボールを奪えなければ、相手にイージーシュートを許してしまうばかりか、チームの士気も下がります。非常にリスクの高いプレーになるので、避けなければなりません。
役に立つ決まり事
オフェンスリバウンドを獲得する確率をあげ、その後のディフェンスのリスクを下げるためのチームとしての決まり事をいくつか紹介します。
ボールサイドポストを見る
ボールサイドのポストマンにボールが入るなら、基本的にはいれるという約束事です。逆を返せば、入らないときは打ってもいいという、
- ポストフィード
- スリーポイント
という優先順位を作っておくということです。ポストマンがポジションを取れているのに、アウトサイドシュートを打つということは、その後のオフェンスリバウンド時にはポストマンはディフェンスに対して、外側にいることになるので、オフェンスリバウンドが取りづらいポジションになります。ポストに入るときは入れてあげる、入らなかったらオフェンスリバウンドに参加するという形で役割をはっきりさせることは大切です。
逆サイドコーナーは飛び込む
オフェンスリバウンド時に多いのが、逆サイドのコーナーのオフェンスがボールウォッチャーになってしまうということです。コーナーの重要性は以前にも聞いにした通りですが、リバウンドを取られてしまった時にコーナーにステイしているということは、その後のディフェンストランジションにおいて、もっとも不利な場所に位置することになり、簡単にアウトナンバーが作られてしまいます。ですので、必ず逆サイドコーナーの選手はオフェンスリバウンドへ飛び込み、取れなかったとしても、ボールに絡みながらディフェンスに戻るということを徹底させます。
オフボールスクリーンでミスマッチを作る
シュータープレイなどを行う際に意図的に逆サイドにサイズミスマッチが起きるようにプレイをデザインすると、セカンドチャンスが生まれやすくなります。ボールサイドにスピードミスマッチ、逆サイドにサイズのミスマッチが発生しているとオフェンスリバウンドはかなり取りやすいです。
ピックアンドロール後はオフェンスリバウンドのチャンス
ピックアンドロール後にスクリーナーのオフェンスリバウンド参加が非常に大事です。ピックアンドロールを行い、ズレやアウトナンバーが瞬間的に発生した後は、ディフェンスもボックスアウトが非常に難しい状況になっています。
ボールハンドラーがペネトレイトして、ビックマンに対して、フィニッシュをした場合、例えタフショットになったとしても、逆サイドはハンドラーディフェンスとスクリーナーでミスマッチになっているはずです。そこでしっかりリバウンドを拾って、チャンスにつなげることが非常に重要です。逆にステイしてしまい、アフタースクリーンの動きがなければ、それはBadスクリーンです。
https://twitter.com/coachk_k/status/1242979156503056384
リムランの徹底
ファストブレイク時にセンターがしっかりとゴール下まで走れるかどうか、リムランできるかどうかというのは非常に重要です。ファストブレイクで多少強引にタフショットになっても、フォローに来てくれるリバウンダーがいれば、安心して、フィニッシュまでいけます。また、ディフェンスの陣形も崩れているので、ボックスアウトもしにくく、飛び込みリバウンドも十分狙えます。
下の動画は福岡第一のスティーブ選手ですが、献身的なプレーでリムランの需要性をよく教えてくれるナイスプレーです。
https://twitter.com/coachk_k/status/1237684258195398656
まとめ
オフェンスリバウンドはリスクマネジメントをした上で、戦略的に狙うものだということが理解していただけたでしょうか。オフェンスリバウンドを奪うことは価値が非常に高く、大きなプレーとなります。
是非、チームの戦略として取り入れてみてください。