スペーシングの重要性
1人で2人守れないようにする
オフェンスにおいて、1on1のスキルやシュートスキルを磨いても、スペーシングの概念を無視してのプレイは、相手のチームディフェンスの網に簡単に引っかかってしまいます。ある程度のレベルになれば、相手ディフェンスも工夫をしてきます。圧倒的なオフェンススキルを持つ選手がいても、適切な距離感でスペーシングすることができなければ、オフェンスは成立しません。
ターンオーバーを減らす
ターンオーバーの多くは、スペーシングの悪いところでのプレーによるものから多く引き起こされます。ターンオーバーをするということは、+2点以上のシュートチャンスを逃すばかりか、シュートに行くことなく、相手ボールになることで、ファストブレイクからのイージーシュートを許す可能性もあり、−2点のピンチを迎えます。無駄なターンオーバーを減らし、確実にシュートまでいくためにも、スペーシングはチームオフェンスにおいて、とても重要な要素の1つです。
ディフェンスの反応できる距離
ディフェンスはパスをカットしたり、ドリブルへ対して、ヘルプへ行く場合に、左右2メートル以内の距離であれば、すぐさま反応をして、対応することが可能です。要するにディフェンスの周り4メートルくらいまでなたすぐさま対応できる距離ということになります。
また、この距離感はヘルプに行ったりした後にすぐに自分のマッチアップに戻ることができる距離感であり、1on1を止めることができるばかりか、その後の動きも素早くおこなえる距離感です。
オフェンスが離れなければいけない距離
上でディフェンスの動ける範囲から計算すると、オフェンスはお互いのプレイヤーの距離が5メートル以内の距離にいると、1on1を仕掛けたり、パスを出したりしても、十分なスペースがなく、自分のマークマン以外のプレイヤーにすぐさまヘルプにこられたり、プレッシャーをかけられてしまう距離感だということを認識しなければなりません。
しかし、離れれば離れるほどいいというわけではなく、あまり離れてしまうと、強く正確なパスを出すことができなくなってしまいます。山なりなパスになれば、正確に相手に届かないばかりか、相手のディフェンスにカットされる確率が増してしまいます。
5〜6mのスペーシング
以上のことから
- オフェンスのプレーを円滑に行うこと
- ディフェンスのアクションに引っかからないこと
を同時に達成するためには、
5メートル〜6メートル程度の距離
を適切に保つことがスペーシングの基本的な考え方です。
コート上の目安
練習においては、マーカーを置くなどして、それぞれの距離感を理解することがまず大切です。そこから徐々に、目印となるものをなくしていって、適切な距離感を保てるように練習しなければなりません。
コート上のラインの距離などを覚えることで、いつでも正確なスペーシングを保つことができます。
コート上では、
- フリースローラインの幅=4.9メートル=約5メートル
- ペイントエリアの縦のライン=5.8メートル=約6メートル
を目安にスペーシングをすると目印がなくても、スムーズにスペーシングを行うことができます。
まとめ
今回紹介したスペーシングの考え方はあくまでも基本です。ゲーム中に均等にスペーシングをするということは、逆を返せば、スペースに限界があるということです。スペースを均等に保つのではなく、意図的にスペーシングを崩すことで、オフェンスを有利に展開するという考え方もあります。まずは、基本的な考え方として、今回のスペーシングの基本を参考にしてみてください。