二段モーションとは、投手が投球動作の途中で一度動きを止めたり間を作ったりして、再び投球動作を行うフォームのことを指します。一見すると単なる間の取り方に見えますが、公認野球規則では特定のケースでボークや不正投球と見なされるため、審判の判定やルール改正の影響を受けやすい動作です。
より詳細な定義やルール背景は、二段モーションの解説記事でも確認できます。
二段モーションのルールと変遷
- 2005年以前:一部の投手が独特のフォームとして採用していたが、明確な規制は少なかった。
- 2006〜2012年頃:NPBで厳格に禁止され、セットポジションからの停止が規則違反としてボーク扱いされるケースが急増。
- 2018年以降:NPBでルールが緩和され、一定の二段モーションは合法化。審判の判断基準も明確化。
- MLB:ルールとしては存在するが、日本ほど厳格に規制されていない傾向。
判定基準
二段モーションと見なされるかどうかは、投手の動きが「投球動作中に完全に静止した」と判断されるかがポイントです。主な判定の目安は以下の通りです。
- 足を上げた後に完全停止してから再び動き出す
- 腕の振りが途中で止まり、その後再開する
- 投球動作中に意図的な間を挟み、打者を惑わせる動作
二段モーションの戦術的意図
- 打者のタイミングを外す:間を作ることで打者の読みを狂わせる
- フォームの安定化:動作を分割して力を溜めやすくする
- 投球リズムの変化:速球と変化球の緩急をさらに際立たせる
過去の有名事例
- 岩隈久志(元楽天・マリナーズ):MLB移籍後は合法とされ、そのフォームが話題に。
- 則本昂大(楽天):ルール改正で解禁された後、二段モーションを活用。
- 上原浩治(元巨人・レッドソックス):セットポジションからの間の使い方が特徴的。
投手への影響
- メリット:タイミングのずらしによる打者の打ち損じ誘発、フォームの安定化
- デメリット:判定基準が曖昧なため、突然の反則宣告で試合の流れを崩す可能性
- 精神面:審判の判定傾向やルールの理解が不可欠
技術的な利点や実戦での活用方法は、二段モーションの意味と投手のメリット解説でも学べます。
まとめ
二段モーションは、投手にとって効果的な武器にもなり得る一方で、ルールや判定基準に左右されやすい繊細な投球動作です。NPBではルール緩和により再び活用される例が増えており、打者との駆け引きにおいて重要な要素となっています。今後はMLBの動向や自動判定技術の導入が、この動作の価値や運用に影響を与える可能性があります。
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